【カンボジア便り Vol.3】アンコール遺跡群

 カンボジアでの図書館贈呈式が終わってから、是非、訪れてみたいと思っていたアンコール・ワットとアンコール・トムを訪れました。

 

アンコール遺跡群は、140年前、フランス人学者が再発見するまで深い密林の奥に隠れ、その存在を知る人はいませんでした。いまは、NHKの「プロが選ぶ世界遺産ベスト30」 でも3位に入っている人気観光スポットです。

 

 《アンコール・ワット》

アンコール・ワットとは、クメール語で「寺院のある街」という意味。シェムリアップの北側、街の中心から約3㌔くらいのところにあります。建てられたのは12世紀前半で、ヒンズー教の三大神のひとりヴィシュヌ神に捧げられた寺院でもあり、当時の王、スールヤヴァルマン2世を埋葬した墳墓でもあります。

 

3月28日、午前4時半に起きて、希望者のみで朝日見学ツアーに参加。ホテルからはバスで約30分、日の出は6時くらいですが、入場するにはアンコール遺跡群に共通の顔写真付きのパスが必要で、入場ゲートでの撮影、発券の時間を見込んで早めの出発です。

少々、眠いですが、アンコール・ワットの塔から昇る瞬間の朝日の輝きは神秘的で、荘厳な気持ちになります。

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アンコール・ワットの朝日見学には大勢の人が詰めかけていた。

 

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季節によって太陽の昇る位置が変わります。立春、立秋の日には、

真ん中の塔の上から朝日が昇るとのこと。時期によっては塔と太陽

を一緒に写すことができないそうです。

この日は薄い雲がかかっていて、太陽がシャープでないのが残念。

 

いったんホテルに戻って、朝食を済ませてから、内部を見学。一番外側の第一回廊の北西の角から入って壁一面に彫られたレリーフを見る。国創造から戦争の様子が、実に緻密に描かれていて、驚かされる。

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第一回廊の長さは200㍍以上、砂岩で彫りやすいとはいえ、壁の

レリーフは圧巻。

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 第3回廊に登る階段。歩幅が狭く、ほとんど垂直の感じ。

危険なので現在は登るのが禁止となっていた。

 

 

《アンコール・トム》  

アンコール・トムは「大きな街」という意味。アンコール・ワットの造営から半世紀後、創建され、高さ8㍍、一辺3㌔の城壁に囲まれている。その中心にはバイヨン寺院、タ・プローム寺院など、たくさんの寺院がある。

 

■タ・プローム寺院

タ・プロム寺院はジャヤヴァルマン7世が、母親を弔うために12世紀中頃から13世紀にかけて建てられた。

しかし、1400年代にアユタヤ朝との戦いに敗れてからは、すべての建物は放棄され、19世紀後半に発見されるまでジャングルの中に埋もれていた。ジャングルがすべての石造寺院を呑み込んでいる自然の力がすごい。

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ガジュマルのぶっとい根っ子が、蛸足のように屋根や

壁を押さえ込む景観は、驚きの一語です。

 

 

■バイヨン寺院

アンコール・トムの中心に位置しています。

16基の尖塔が2つの回廊で結ばれており、神秘的な雰囲気がある。

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バイヨン寺院から1㌔くらい離れたところにある南大門。橋の右側

には阿修羅の列、左側にはコブラと神々の像が並んでいる。

門の上には 四方を向いた観音菩薩の顔がある。

入り口は輿をつけた象が通れる幅なので、大型のバスは通れない。

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最も外側にある第一回廊には、戦いや庶民の生活風景、天女など

さまざまなレリーフが彫られていて、当時の様子が知ることができます。

ガイドは大塚さん。

 

※今回、ガイドをしてくれた大塚めぐみさんは、ピースインツアー・アンコール社の日本人代表。約10年間、現地に滞在し、現地旅行会社をリードしている。つい最近、その奮戦記を『好き、好き、好き、カンボジア』と題して本を出版しています。カンボジアの歴史などについての歯切れの良いお話は分かりやすく、とても参考になりました。最近は時間がなく、あまり出番がないそうですが、今回は特別にガイドしていただきました。

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第2回廊と塔。いくつもの観世音菩薩の顔がこちらを向いています。

a-R0011977  像アップ.jpg心を和ませてくれる観世音菩薩の四面塔。

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 バイヨンの柱の美しい浮き彫り。寺院全体の壁が

彫り物で埋め尽くされており、荘厳さを醸し出して

いる。

 

※アンコール遺跡群と言えば、ワットが有名ですが、トムにも見所がたくさんあって魅力的なところでした。

     

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