食堂かたつむり

最近自分の中で一番面白かった本をご紹介します。

 

「食堂かたつむり」

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新聞の広告欄で見つけて、即買いに行った本なのですが、読み始めてすぐは、失恋の話が続いているだけで、そんなに(中身のある本だと言うことを)期待していませんでした。ところが・・・

 

失恋して10年ぶりに田舎に戻った倫子は、大嫌いな母に土下座して何とか物置小屋を借り、メニューのない食堂を始めます。失恋して以来、倫子は声が出ません。食堂かたつむりと名付けられたそのお店は、一日一客だけという変わった食堂。その食堂で食べた人達がほんわかと幸せになっていく姿が描かれています。山の中で、大地に根付いた料理を人々にふるまううちに、倫子も少しずつ元氣になっていきます。しかし幸せは長く続きません。

 

はたして倫子の失恋は癒されるのでしょうか?倫子の出生の秘密は?倫子とド派手な母親の関係はどうなっていくの?

 

「食べる」ことは愛することであり、愛されることであり、つまり生きることなんだって改めて教えられる素敵な物語でした。―――草野マサムネ(スピッツ)

毎日口にするごはんにこんな物語が詰まっているなんて気がつかなかった。これからは大きな声で「いただきます」と言いたい。―――岡野昭仁(ポルノグラフィティ)

 

と、著名人からも大絶賛です。私も、後半1/3くらいからは涙が止まりませんでした。お互い素直でないけれど確かに存在する家族愛(含・飼い豚)が、物語のスパイスになっています。この本を読んでから、自分は命をいただきながら生きているのだということを、改めて感じました。草野さんの言うように、食べることは生きることそのものなんだ、と感じさせられる一冊です。ぜひ読んでみてください。

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