腸内細菌の"時差ボケ"で太りやすくなる!?
「腸内細菌が"時差ボケ"すると、肥満になりやすくなる」
そんな驚きの研究結果があります。
ある実験では、意図的に時差ボケを引き起こすために、昼夜逆転するように
プログラムされた特別な部屋で3ヵ月間マウスを飼育。
糞を採取して調べると、実験の前後で腸内細菌のバランスが変わっていました。
バクテロイデーテス門の腸内細菌が全体の44.6%から38.7%に減っていたのです。
実は、このバクテロイデーテスという細菌が少ないと肥満になりやすいことが
別の研究で明らかになっています。
つまり、時差ボケをすると肥満になりやすい腸内環境になってしまうのです。
さらにこの傾向は、食事が高脂肪食なほど強く受けることがわかりました。
「睡眠の乱れ」に「食事の乱れ」が加わると、バクテロイデーテスは
なんと全体の7.5%にまで減ってしまったといいます。
そして、人間の腸内細菌でも、同じことが起こるという報告があります。
2014年10月に発表された研究では、アメリカからイスラエル行き(8時間の時差)の
飛行機に搭乗した人、二人の便を解析しました。
旅の前日(時差ボケ前)、移動した次の日(時差ボケ中)、旅の2週間後(時差ボケ後)と
3回の腸内細菌を調べました。その結果、時差ボケ中の腸内細菌ではバクテロイデーテスが
明らかに減少していました。
さらにこの3回分の腸内細菌をマウスに移植すると、時差ボケ中の腸内細菌を
与えられたマウスだけが体重が増加することもわかりました。
「生活が乱れると太りやすい」「夜更かしすると太る」と言われますが、
その原因のひとつは、腸内細菌にあるのかもしれません。
睡眠パターンが定まっていない人や、夜更かし、睡眠不足の多い人は、
腸内環境にも影響が出ている可能性が・・・。
生活リズムが乱れがちなときほど、腸内環境を整える食事を心掛けたいですね。
【参考】 書籍「やせる! 若返る! 病気を防ぐ! 腸内フローラ10の真実 」 NHKスペシャル取材班