腸のリズムを整える睡眠法
腸が健康的に働いているかどうかは、睡眠によって左右されます。
良い睡眠は腸のリズムを整え、腸内細菌のバランスを整えてくれます。
今回は、腸のリズムを整える睡眠法をご紹介します。

■腸の健康は健全な睡眠から
腸は生命の源となる重要な仕事を担っている臓器です。
夜間になると免疫力の調整をはじめ、ビタミンの合成、解毒、脳内ホルモン、
がんの予防など、忙しく働いており、老化しやすい臓器とも言われています。
そんな腸の働きは、自律神経と連動しています。
自律神経には、昼間の活動中に優位に働く「交感神経」と、
夜間の睡眠中に優位になる「副交感神経」があります。
多くの臓器は夜間になると働きを和らげますが、腸は副交感神経が
優位になると活発に働くようになります。
そのため、健全な腸を維持するには、健全な睡眠が必要です。
■体内時計が毎日のズレをリセット
健全な睡眠を得るためには、体内時間を正確に回すことが大切です。
わたしたちの体は、地球が自転するサイクルがもたらすリズムの影響をうけながら、
一定の規則性を持って動いています。これを「サーガディアンリズム」と呼びます。
ただ、地球のリズムとわたしたちの体のリズムには、若干のズレがあります。
1日の長さは地球が1回転する時間に合わせて24時間と決まっていますが、
わたしたち人間の体のサーガディアンリズムは24時間11分。
よって"11分"というズレを毎日リセットしなければいけません。
そのリセットの役目を果たすのが体内時計です。
■朝日を浴びて体内時計をリセット
朝起きたらカーテンを開けて、全身で太陽を浴びましょう。
朝日を浴びると、11分のズレがリセットされます。
この際、脳内ホルモンのセロトニンが大量に分泌され、脳や体を覚醒させる
ように働きます。一方、眠りに誘うための脳内ホルモンであるメラトニンの
分泌は抑えられます。さらにメラトニンは、朝日を浴びた約15時間後に再び
分泌が盛んになり、自然な入眠が促されます。
つまり、普段から朝日を浴びていると、体内時計がリセットされるだけでなく、
1日の覚醒と睡眠のリズムがしっかり整うようになります。
■腹時計のリズムを整える
体内時計をリセットしたら、次は腹時計のリズムを整えましょう。
皆さん経験的におわかりだと思いますが、1日3食、決まった時間に食事をとって
いると、毎日決まったタイミングでお腹がグゥ~ッと鳴るようになってきます。
これは腸のリズムが体内時計と連動しているためです。
つまり、1日3回の食事を決まった時間にすることで、腸のリズムが整い、
腹時計が正常に働き、体内時計が整ってきます。
なかでも、1日の始まりである朝食はとても大切です。
朝食は体内時計だけでなく、体全体を起動させるためのメインスイッチなので、
毎朝決まった時間に食べてスイッチを押し、腸を動かすようにしてください。
また、食事は前に食べたものが完全に胃で消化されてからとるのが鉄則ですので、
4~6時間は間隔をあけましょう。
食事と食事の間に「間食」が入ってくるのは、腸にとっては忙しい仕事中に
「すぐやらなきゃいけないめんどうな仕事」が割り込んでくるようなものです。
腸を疲れさせないためにも、できるだけ控えるようにしましょう。
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
●まとめ●腸のリズムを整える方法
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
1. 太陽の光と朝食で体内時計をしっかりリセット。
2. 食事は4~6時間の間隔をあけて、腸を休ませる。
3. 夜はリラックスして充分な睡眠をとり、
腸が仕事ができる環境を整える。
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
こうした腸のリズムに合わせた習慣が身についてくると、食事の時間になると
お腹が空くようになり、規則正しいメラトニン分泌のリズムを作り、夜になると
自然と眠くなります。
腸は夜間にせっせと働いています。
腸の時間割に則った毎日を送り、良い睡眠をして腸のリズムを整えましょう。
【参考】一個人(2015年11月号)