熱中症予防に!水の上手なとり方
蒸し暑い日が続いていますね。
この季節、特に気をつけたいのが熱中症。
夏は汗によって水分が失われやすい季節です。
今回は、夏の健康を守る"上手な水分のとり方"をご紹介します。
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Q1.水分補給が肝心なのは、いつ・どんなとき?
A. 起床時、入浴前、運動前など汗をかく前です。 ――――――――――――――――――――――――――
人間は寝ている間、一晩で約500mlもの汗をかきますが、
夏はこれ以上になることもあります。
起床時にはコップ1杯程度(150~200ml)の水を飲むとよいでしょう。
入浴や運動の際にも、後だけでなく事前に水分をとっておきましょう。
また、熱中症予防にはこまめに水分をとることをおすすめします。
子どもは大人に比べて熱中症になりやすいので、注意が必要です。
その他、お酒を飲んだ後、エアコンの効いた室内に長時間いるときも
水分が不足しやすいので、意識して補うようにしましょう。
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Q2.水分は1日にどれだけとるとよい?
A. 個人差はありますが、飲み物からは約1.5リットル。
汗を多くかくときはこれより多く必要です。
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人間は1日に、約2.5リットル程度の水を摂取し、排泄して
バランスがとれています。
食事からは約1リットル摂取されるので、残り約1.5リットルが
飲み物から摂取する目安です。
また、汗を大量にかいたときには水分摂取量を増やしましょう。
高齢の方は、必要な水分量は若い人と変わりませんが、
脱水症状になりやすいためより意識して水分をとりましょう。
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Q3.どんなものを飲むとよい?
A. 日常的な摂取は水やお茶などでOK。
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日常的な水分補給は、水やお茶など自分が飲みやすいと思うものでOK。
あまり汗をかいていないときは、特にスポーツ飲料を飲む必要はありません。
ジュースなど甘い飲みものは糖類が多量に含まれているので注意が必要です。
汗をかくと水分とともに塩分(ナトリウム)も失われます。
大量の発汗を伴う運動の際は、ナトリウムを含む飲料などで
水分を補うようにしましょう。
汗をかいたときに水だけを大量に摂取すると、血液中の塩分濃度が下がって、
「水中毒」という低ナトリウム血症やけいれんを生じる危険があります。
ただし、スポーツドリンクはカロリーが高いので気をつけましょう。
(※高血圧や糖尿病の方は摂取に注意が必要です)
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Q4.血圧が高めでも、夏は水と塩分を多めに取るとよい?
A.高血圧の人はむやみに塩分をとらないように。 ――――――――――――――――――――――――――
血圧の上昇を防ぐためには、塩分を必要以上に摂取しないことが重要です。
たくさん汗をかいても、すぐに食事をとる場合は、食事で塩分が補えますので
水だけで充分です。
日本人はもともと塩分をとりすぎている傾向にありますので、必要以上の
ナトリウムの摂取は避けましょう。
ただし、食事を抜いて汗をかく作業を続ける場合などは、
塩分が極端に不足しますので、高血圧の人でも補う必要があります。
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Q5.水分をとるとトイレが近くなるのですが…。
A. 頻尿は加齢現象の一つ。 病気予防のためには水分を充分にとってください。 ――――――――――――――――――――――――――
人は加齢に伴って膀胱にためられる尿の量が少なくなり、
トイレに行く回数が自然と増えます。
頻尿に悩んでいるからといって、水分をとらないでいると脱水を起こし、
熱中症や脳梗塞などの危険度が高まります。
脱水予防のための水分補給は、さまざなま病気のリスクを下げることにつながります。
夏場の健康を守るために、水分は不足する前にとるよう心掛けましょう。
上手な水分補給で、暑い夏を乗り切りましょう。
【参考】栄養と料理(2013年8月号)